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IncuCyte細胞増殖アッセイ

細胞増殖とは?

細胞増殖とは、細胞の数が細胞分裂(真核細胞の場合は「有糸分裂」)を通して経時的に増加していく生物学的プロセスです。増殖は正常な組織の発生と再生に欠かせないメカニズムです。しかし、異常な細胞増殖は、悪性化やがんの発生を引き起こす可能性があります。

細胞増殖アッセイは、幹細胞やがん細胞の経路の解析や、薬剤の有効性と安全性を検討する試験の土台となります。生化学的な細胞増殖アッセイは主に3種類あり、DNA合成(例:3H-チミジン取り込み、BrdU)に基づくもの、代謝活性(例:アラマーブルー、LDH)に基づくもの、そしてATP濃度(ルシフェラーゼ生物発光)に基づくものです。それぞれに長所があるものの、そのほとんどは単一エンドポイントか、せいぜい一連の連結エンドポイントにより時間的経過を測定するというものです。その手法の大多数は間接的で、重要な結果や事実を見逃してしまいやすいのが欠点です。

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INCUCYTE細胞増殖アッセイ

IncuCyte細胞増殖アッセイのご紹介

IncuCyte®生細胞イメージング解析システムなら、細胞増殖アッセイのイメージング取得から解析・データ化まで全自動で完了。しかもあなたのインキュベータ内で。

(1)ラベルフリーでコンフルエンスをモニタリング

細胞画像中の経時的な占有面積(コンフルエンス率)を解析することにより、細胞増殖をモニタリングします。細胞の増殖に伴ってコンフルエンスは増加します。コンフルエンスは優れた増殖マーカーです。完全なコンフルエンスに達すると、細胞は密集し、形態に大きな変化が生じます。

Monitor proliferation of A549 cells in real time

IncuCyte細胞増殖アッセイでは、コンフルエンス画像マスク(金色)を用いて、A549細胞の増殖をリアルタイムにモニタリングします。

(2)蛍光ラベルで細胞数を直接計測

蛍光核の数を経時的に計測することにより、細胞増殖を定量化し、細胞増殖率を算出します。細胞に影響を与えない蛍光タンパク質発現試薬(例:IncuCyte NucLight Red)で細胞を染色します。共培養では、異なる標識を組み合わせて、2種類の細胞の増殖を同時に測定することができます。

Monitor proliferation of HT1080 in real time using IncuCyte® NucLight Green labeled cells and cell proliferation assays

IncuCyte細胞増殖によるアッセイでは、IncuCyte NucLight Green細胞株を用いて、HT1080細胞の増殖をリアルタイムにモニタリングします。


IncuCyte™細胞増殖アッセイの概念

  1. 生細胞タイムラプスイメージングにより、ラベルフリーまたは蛍光2色で細胞増殖を測定。長期の増殖曲線や増殖抑制曲線を簡単に作成し、形態をモニタリング。
  2. IncuCyte NucLight蛍光タンパク質発現試薬を用いて、細胞数(核の数)の経時的変化を直接測定。増殖率と倍加時間を算出し、共培養物を探索。
  3. IncuCyte Caspase-3/7試薬やIncuCyte Cytotox試薬を利用し、細胞増殖の観察結果を、アポトーシスや細胞毒性の測定結果と一緒にデータ算出。

メリット

IncuCyte細胞増殖アッセイのメリット

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タイムラプスイメージングで細胞増殖を可視化・定量化

  • IncuCyte 画像解析ツールを用いて際増増殖の経時変化を観察、定量化。画像とムービーで投与の作用を確認。

Quantify cell proliferation in real-time using cell confluence and cell counting in HT-1080 fibrosarcoma cells

コンフルエンス測定(ラベルフリー、左)と細胞数計測(蛍光、右)により、HT-1080線維肉腫細胞における細胞増殖をリアルタイムに定量化。細胞数計測では、細胞に影響を与えないIncuCyte™NucLight™ Red試薬で細胞を標識。コンフルエンス/細胞数の経時的な増加と、対応するメトリクスにご注目ください。

増殖曲線と倍加時間をインキュベータ内で自動解析

  • 投与の作用がいつどのように現れるかを、インキュベータという安定した環境から細胞を取り除くことなく特定。10日間など1週間以上の長期におよぶアッセイに最適。

Measure treatment effects automatically and non-invasively

投与の作用を非侵襲的に自動定量化 IncuCyte™細胞増殖アッセイでは、96/384wellプレートのすべてのwellを自動で画像化・解析し、経時的な細胞増殖のマイクロプレート観察情報を提示(A)。増殖の時間的経過から濃度依存的な投与作用が明らかに(B)。データを濃度-反応曲線に変換して薬理作用を比較(C)。

培地に添加するだけのシンプルな96/384wellプロトコル - 細胞の洗浄、固定、剥離が不要

  • 細胞を播種し、被験薬を添加。IncuCyte®イメージング解析システムが経時的データを自動で読み取っていきます。ミディアム/ハイスループットスクリーニングで一度に最大384wellプレート6個の読み取りが可能です。

View the IncuCyte cell proliferation assay protocol

細胞増殖アッセイにおけるラベルフリーコンフルエンス測定のプロトコルを見る

細胞増殖アッセイにおける蛍光標識細胞数計測のプロトコルを見る

アポトーシス・細胞毒性の測定結果と組み合わせてデータ算出

  • IncuCyte細胞増殖アッセイに、IncuCyte CytotoxやIncuCyte Caspase-3/7試薬を使用して、細胞毒性/アポトーシスを同時に測定。投与による細胞毒性と細胞増殖抑制作用を容易に区別。

Multiplex live-cell counting with cytotoxicity measurements using IncuCyte cell proliferation assays

IncuCyte細胞増殖を用いて、生細胞カウント数を細胞毒性の測定結果と同時に測定 生/死細胞を経時的に検出するため、IncuCyte™ Cytotox Green試薬を使用し、カンプトテシン(150 nM)を投与したHT-1080線維肉腫細胞(IncuCyte™NucLight™ Red試薬で標識)。

"増殖および細胞毒性の時間的経過と濃度依存性を定量化 スタウロスポリンがHT1080細胞に及ぼす作用:(A)細胞計測数、(B)細胞毒性、(C)濃度-反応曲線


NucLight蛍光タンパク質発現試薬を用いて、共培養での増殖を測定

  • 共培養物中の細胞をIncuCyte NucLight™蛍光プローブで標識して特定し、定量化。

IncuCyte Co-culture cell proliferation assays


IncuCyte共培養細胞増殖アッセイ 共培養した核標識HT1080細胞(緑色核、NucLight Green)およびA549細胞(赤色核、NucLight Red)のタイムラプスムービー。

Micro-environment effects on chemotherapeutic drugs

"微小環境が化学療法薬に及ぼす影響 乳がん細胞のラパチニブ耐性における間質細胞の役割IncuCyte NucLight Redレンチウイルス試薬で蛍光標識したSK-BR-3乳腺腺がん細胞を、単培養または非標識間質線維芽細胞との共培養において増殖。IncuCyteイメージング解析の結果、ラパチニブは、単培養においてSK-BR-3細胞の増殖を強力に阻害するものの(左)、SK-BR-3細胞を間質線維芽細胞との共培養で増殖させた場合にはその強度が低下することが判明(中央および右)。"

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FAQ

細胞増殖に関するFAQ

培養における細胞増殖のトラッキングは、何を観察すべきかがわかっていれば比較的簡単です。細胞増殖モニタリングの方法として最もシンプルなのは、培養細胞がコンフルエンスに向かう様子を追跡することです。コンフルエンスとは、細胞に覆われたwellやプレートの割合です。コンフルエンスは、トランスフェクションのような、日々の細胞株のメンテナンスや細胞アッセイにおいて有用なメトリクスです。しかし、絶対細胞数が必要な場合には、コンフルエンスは最善なメトリクスではなくなってしまいます。そのような場合には、蛍光タンパク質発現試薬を用いて細胞増殖を追跡することができます。画像化された個々の核は、細胞1個に相当します。IncuCyte(r)を使用すれば、コンフルエンスと細胞数の両方を連続測定することが可能です。

多核細胞については、核の数を計測しても、適切な細胞数は得られません。しかしIncuCyte® の場合、細胞増殖アッセイによる細胞コンフルエンスの読み出し情報から、細胞集団の総バイオマスの増加量を求めることができます。トランスフェクションのように、細胞密度/コンフルエンスが重要となるアプリケーションの場合には、この情報が得られれば十分です。

DNA合成に基づいた細胞増殖解析では、DNA複製時に人工DNA塩基が用いられるため、新たに形成される二重らせんに人工塩基が組み込まれることになります。そして、これらの塩基を抗BrdU抗体で染色して、BrdUインキュベーション時に生じた細胞分裂の大まかな数を求めます。BrdU染色による解析では、細胞を固定しなければならないため、その後の下流の実験における使用には適していません。

IncuCyte® では、細胞増殖のプロセスをより明確に捉えることができ、インキュベータ内で一定の細胞増殖環境を維持しながら増殖率と細胞形態をモニタリングすることが可能です。また、IncuCyte™細胞増殖によるアッセイでは、色素や標識を使用せずにコンフルエンスを測定できるため、細胞を下流アッセイに用いるのに適しています。

共培養において細胞増殖をモニタリングするには、細胞に影響のない標識(=細胞の正常な分裂過程を妨げないもの)に加え、2つの蛍光色素をモニタリングするための方法・手段が必要となります。IncuCyteの核標識用NucLight™RedおよびGreen試薬を使用すれば、手間なく簡単に実施できます。2個の細胞集団に、蛍光タンパク質発現試薬の赤色または緑色の試薬いずれかを導入し、播種をして共培養を行います。その後、それぞれの細胞種の細胞増殖を追跡します。このような生細胞解析には、全体的な増殖期を通して単一の(あるいはいくつかのプレートの)細胞を追跡しながら、共培養という状況下で増殖過程を記録できるという明確な利点があります。

はい、共培養を用いれば、in vitroで、複雑な組織様関係における細胞間相互作用を調べることができます。また、そのような共培養において、アポトーシスマーカーと膜完全性から細胞死を追跡することができます。最も意味のあるデータを得るには、IncuCyte® で、細胞増殖と細胞死を同一培養内で同時にモニタリングするのがおすすめです。

この共培養の全期間を通して特定の細胞種を追跡するには、まず、すでに使用したCytotox試薬とは別の色のNucLight™試薬を細胞にトランスデュースします。細胞は増殖し、密集した培養物と相互に作用しながら一体化していきますので、Cytotox試薬またはCaspase-3/7試薬を用いて細胞死をモニタリングします。

注:NucLight試薬を導入した細胞だけでなく、死細胞および瀕死細胞はすべて、Cytotox試薬またはCaspase-3/7試薬に陽性反応を示します。

正常で健康な細胞を用いる特定のラボアプリケーションには、コンフルエンスと細胞数がメトリクスとして不可欠となります。塊状になって厚い多層を形成した細胞は、光学技術によるコンフルエンスおよび細胞数の測定には向きません。コンフルエンス測定では、細胞が単層として増殖し、他の細胞との接触は二次元に限定されることを想定しています。細胞増殖アッセイで細胞数を特定するには核染色試薬が必要ですが、非単層細胞はうまく試薬と接触できず、細胞集団からの最適な取込みが行えません。多層細胞で覆い隠されてしまった細胞は、正しく視覚化されず、シグナルが不鮮明になったり現れなかったりする場合があります。最良の結果を得るには、単層細胞を用いて細胞増殖アッセイを行う必要があります。

健康な核からアポトーシス核への形態変化は極めて顕著なため、視覚的に容易に検出することができます。細胞がアポトーシスを起こし始めたら、その細胞の核は凝縮し始め、どんどん縮小して暗くなっていきます。そして最終的に核は断片化します(核崩壊)。細胞増殖アッセイでは、生細胞核とアポトーシス細胞核のための閾値を設定することもできます。また、生細胞解析用の蛍光検出試薬を使用されている場合は、細胞毒性アッセイやアポトーシスアッセイと同時に定量解析することができます。そうすれば、培養中の細胞の膜が損傷しているか、あるいはアポトーシスカスケードを引き起こしているかどうかがわかります。

細胞毒性アッセイについて詳しく知る

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注文情報

注文情報

IncuCyte NucLight試薬シリーズは、IncuCyte®システムとの併用にあたり十分なバリデーションが行われています。IncuCyte Caspase-3/7試薬やIncuCyte Cytotox試薬とと併用することにより、同一well内で、アポトーシスや細胞毒性の同時測定を行うこともできます。

製品 製品データシート Safety Data Sheet (US) 数量. 製品No.
IncuCyte® NucLight Green BacMam 3.0 Reagent for nuclear labeling 1 mL 4622
IncuCyte® NucLight Red Lentivirus Reagent (EF-1 α, Puro) for nuclear labeling 0.2 mL 4625
IncuCyte® NucLight Green Lentivirus Reagent (EF-1 α, Puro) for nuclear labeling 0.2 mL 4624
IncuCyte® Caspase 3/7 Reagent for apoptosis 20 μL 4440
IncuCyte® Annexin V Red Reagent for apoptosis 100 tests 4641
IncuCyte® Annexin V Green Reagent for apoptosis 100 tests 4642
IncuCyte® Cytotox Red Reagent for counting dead cells 5 μL x 5 4632
IncuCyte® Cytotox Green Reagent for counting dead cells 5 μL x 5 4633

関連資料

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